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猫とカナリア

The Cat and the Canary(1927)

Director
パウル・レニ

Cast
ローラ・ラ・プラント / クレイトン・ヘイル / フォレスト・スタンレー / タリー・マーシャル

Production Company
ユニヴァーサル

『裏町の怪老窟』(1924)でその名を知らしめたパウル・レニがアメリカに渡って監督した作品第一弾。当時好評を得ていたジョン・ウィラードの同名戯曲の映画化作品であり、この後も幾度か映画化されている。

遺産を狙う親族達から狂人扱いされ死んでいった大富豪サイラス・ウェスト。その死から20年後に遺書を開封するため親戚縁者達が集まった。皆が息を呑む中開封された遺言状には、何と一番の遠縁であるアナベル・ウェストに財産を譲る旨が記されていた。しかし、その相続には彼女の精神が正常であること、と条件がつけられており、やがて屋敷の中で奇怪な事件が起こり始めるのであった。

パウル・レニの演出はやや垢抜け大衆的となってしまっており残念な部分もあるものの、それでも冒頭のサイラスの合成に始まり、一人称視点で動き回るカメラ、歪んだ影と光を多用した演出と、同時代の作品と比べて頭抜けたセンスが随所に見られる。また、後にジェームズ・ホエールが『魔の家』(1932)で確立する「オールド・ダーク・ハウスもの」と呼ばれるある種のプロットの原型も本作は成しており、まさにドイツ表現主義とユニヴァーサル・ホラーを繋ぐ存在として後の怪奇映画に与えた影響は計り知れない。

ただ惜しむらくは本作は怪奇映画ではなく、あくまで怪奇的なサスペンス映画であるということであろうか。故に最終的に合理的な決着を見せる展開は怪奇映画の愛好家としては若干物足りなく、やはりここは超自然的な要素がもっと欲しかったとも思う。若干44歳という若さで夭折したレニの佳作。