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女ドラキュラ

Dracula's Daughter(1936)

Director
ランバート・ヒリヤー

Cast
グロリア・ホールデン / オットー・クルーガー / エドワード・ヴァン・スローン / マルグリット・チャーチル

Production Company
ユニヴァーサル

ユニヴァーサルが『魔人ドラキュラ』(1931)の5年後に制作した『魔人ドラキュラ』の正当なる続編。ブラム・ストーカーの短編小説『ドラキュラの客』を原作とする、とは言うものの殆ど原型を留めておらず、事実上ユニヴァーサル・オリジナルの脚本である。物語は、まさに『魔人ドラキュラ』でヴァン・ヘルシングがドラキュラに杭を打ちこんだ直後から始まるため、ドラキュラは登場することあたわず、本作ではドラキュラ伯爵の娘が主役として登場する。

しかし、このドラキュラの娘を演ずるグロリア・ホールデン、個人的にはどうにも好みではないのである。しかも物語はこのドラキュラの娘が恋心を抱く心理学者の手を借りて吸血鬼の呪いから自由になろうと欲するという、全体として野暮ったい昼メロのような調子。様々な怪奇幻想映画の紹介本で取り上げられる、ドラキュラの遺体を荼毘に伏すシーンや、明かりの灯ったドラキュラ城に怯えるジプシー達といったシーンは確かにぞくぞくはするものの、残念ながら『魔人ドラキュラ』に匹敵する怪奇的要素は作品全体を通じては存在しない。

本作はかなり大人し目ではあるものの、吸血鬼映画としてはじめてレズビアニズムを明示的に描いた作品であるため、今後もその歴史に留まるべき映画である。しかし、逆説的に言えば本作の価値はそこにしかないとも言える。そして、その唯一の価値を担うグロリア・ホールデンは私好みではない。私にとっては何とも残念な映像である。

私のように怪奇の血が濃い人間であればエドワード・ヴァン・スローン演ずるヴァン・ヘルシングの再登場にニヤリとすることが出来る作品ではあるが、やはりマニア向けという印象は拭えない。ユニヴァーサルのドラキュラ・シリーズはルゴシを失った時点でその魅力を失ってしまったのだ、と痛感する作品である。