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猿の怪人

The Ape Man(1943)

Director
ウィリアム・ボーダイン

Cast
ベラ・ルゴシ / ルイーズ・カリー / ウォーレス・フォード / ミネルヴァ・ウレカル

Production Company
バナー

嘘でしょ?嘘だと言って。しかし、何度見返してみても、スチールに写る顔はやはりベラ・ルゴシその人。何もこんな仕事まで請けなくてもいいのに・・・。と、同情を禁じえないスチールである。絶対に駄作に決まっている。私は本作のビデオを購入してから長らくの間、その余りなスチールやジャケット故に本編を再生する勇気を出せずにいた。ただカセットをデッキに入れ、再生ボタンを押すだけの勇気を振り絞るのに、私は何と15年もの歳月を必要とした程である。

ブルースター博士は、ランドル博士と共に長年困難な研究に取り組んでいた。そんなある日、ブルースター博士は自らを実験台とした実験に失敗し、猿のような外見となってしまう。歩行も猿のようになり理性のコントロールも出来なくなっていく博士を救う方法は唯一つ。生きた人間の骨髄を自らに注射することであった。やがて、毛深く怪力と思われる犯人による連続殺人事件が発生する。

あぁ、やはり観なければ良かった。『モルグ街の殺人』(1932)のメイクもヒドイものであったが、それなぞ比ではない滑稽なメイクと脚本。更には腕と腰を曲げ、猿のようにうろうろと歩き回るその姿は、ルゴシ・ファンにとっては正視に堪えかねる程の辛い映像であった。しかも役者としての意地なのであろうか、ルゴシは非常に真面目に役を演じている。

本作は脚本、演出、全てが全て特筆すべき点がなく、さらにはラストにオチがあるのであるが、そのオチのセンスまでもがB級ときている。そんな中でも、真面目に演技をするルゴシの姿は何とも涙ぐましい。本作はルゴシ・ファンにはとても物悲しくなる作品であり、世間一般の方には唯の時間の無駄としかならない駄作である。フィルムが永遠に俳優の姿を刻むことが、時に残酷なことでもあることを痛感する作品。