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フランケンシュタインの逆襲

The Curse of Frankenstein(1957)

Director
テレンス・フィッシャー

Cast
ピーター・カッシング / クリストファー・リー / ヘイゼル・コート / ロバート・アークハート

Production Company
ハマー

ハマー・フィルムの怪奇映画制作会社としての方向性を決定付け、テレンス・フィッシャー監督、ピーター・カッシング、クリストファー・リーという黄金コンビが初めて顔を揃えた怪奇映画史上に記念すべき作品こそが本作『フランケンシュタインの逆襲』(1957)である。この映画の成功なくしては『吸血鬼ドラキュラ』(1958)はなく、60年代のハマー黄金期もなく、そして私がここまで怪奇映画の世界に魅了されることもなかったであろう、まさに記念碑的作品である。

ユニヴァーサルが『フランケンシュタイン』(1931)にはじまるフランケンシュタイン・シリーズ計8作品を制作した後、フランケンシュタイン映画はこのハマー・フィルムが制作するまでの間、約10年に渡り銀幕には登場しなかった。それはジャック・ピアースによって創造されたフランケンシュタインの怪物のメイクのあまりのインパクト故であろう。当初、ハマーフィルムも当時69歳のボリス・カーロフをアメリカから呼び、ユニヴァーサルのメイクでモノクロで撮影する予定であったというから如何にジャック・ピアースの生み出したメイクが重圧として存在していたかが伺える。

しかし、ハマー・フィルムはユニヴァーサルの使用許可を取ることが出来ず、結果として『フランケンシュタインの逆襲』はフランケンシュタイン映画としては世界初のカラー映画として誕生した。カラーの特色を生かし残酷味を増した演出、ユニヴァーサルがフランケンシュタインの怪物を主軸に据えていたのに対してピーター・カッシング演ずるフランケンシュタインのマッド・ドクターとしての側面を強調した脚本、190cmの身長のクリストファー・リーの「まるで交通事故にでも会ったようだ」と評されたグロテスクなメイク、全てがユニヴァーサルの作品を古典として追いやってしまうだけの勢いと魅力に溢れた傑作である。

ある種の文芸的な優雅さを持ったユニヴァーサルの作品と比較するとやはり残酷味が高く怪奇色が強いことは否めないが、フランケンシュタイン映画の傑作の一つであり、黄金期のハマーの素晴らしさが存分に堪能できる作品である。本作と『吸血鬼ドラキュラ』を観て頂ければ、何故「ハマー・フィルム」が怪奇映画のブランドとして名高いのか、ということが分かって頂けるであろう傑作。是非御一見を。