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生血を吸う女

Il Mulino Delle Donne Di Pietra(1960)

Director
ジョルジョ・フェッローニ

Cast
ピエール・ブリス / シッラ・ガベル / ヘルベルト・ベーム / ヴォルフガング・プライス

Production Company
ガラテア

本作『生血を吸う女』(1960)は「いきち」ではなく「なまち」と読むのが正しい。らしい。その邦題からは吸血鬼映画であるかのような印象を受けるが、本作は『肉の蝋人形』と『顔のない眼』(1959)を合わせたかのような物語のイタリア産の怪奇映画である。

オランダの僻地の水車小屋で蝋人形を制作している美術教授ヴァール教授には、一人娘のエルフィがいた。エルフィは奇病にかかっており、発作を起こすと死んだ状態となるものの、輸血をすることで生き返るのであった。エルフィの命を繋ぎ止めるため、ヴァール教授は若い女性を誘拐してはその血を彼女へ与え、死体を蝋人形として加工し展示していたが・・・。

本作は一部の怪奇映画マニアの間では、カルト的に評価の高い作品である。確かに、見世物小屋的ないかがわしい雰囲気を漂わせる水車小屋の蝋人形達や、上半身や腕、顔だけの彫像が飾られたヴァール教授のアトリエといった舞台はいかにも怪奇映画的な雰囲気を盛り上げている。さらには光源を絞った照明の使い方や、やや荒い色彩が織り成すムードも独特の雰囲気を生み出している。

しかし、私個人としては本作はやや下世話なB級カルト映画であるという印象が強い。むしろ、その見世物小屋的ないかがわしさこそがこの作品の魅力であり真骨頂と言えるのかもしれないが、明確なグラン・ギニョールでありながらも美しい映像と物悲しい演出で上品にまとめていた『顔のない眼』のセンスの方が、私の好みには合うようである。