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死体解剖記

The Flesh and the Fiends(1960)

Director
ジョン・ギリング

Cast
ピーター・カッシング / ドナルド・プレザンス / ジューン・ラベリッチ / ジョージ・ローズ

Production Company
トライアド

1827年から1828年にかけてイギリスのスコットランドで実際に起こった、バークとヘア連続殺人事件を題材とした怪奇映画。犯人であるウイリアム・バークとウイリアム・ヘアは17人の殺人を犯し、その被害者の死体を解剖用にエジンバラ医学校のロバート・ノックス医師へと売っていたという、事実は小説よりも奇なりを地で行く事件である。イギリスでは、この事件をきっかけとして、1832年に合法的な医学用死体の供給に関する法律が成立している。

さて、本作の『死体解剖記』(1960)は、AIPのロジャー・コーマンによる一連のポオものの配給で知られる大蔵映画であるため、何ともタイトルがおどろどろしい。ピーター・カッシング主演でこのタイトルとくれば、嫌が上にもハマーでのフランケンシュタイン男爵を連想させるような解剖シーンに期待が高まるが、残念なことに本作には一切解剖シーンは存在しない。むしろ、バークとヘアの殺人に恐怖の主体は置かれており、ノックス医師もフランケンシュタイン男爵程にマッド・サイエンティストではない人物として描かれている。

従って、犯罪が露呈しバークとヘアが処刑された後も、ノックス医師に罪が問われることはなく、一時的に学生達の信頼を失いはするものの、最終的にはノックス医師の熱意が伝わり学生達も戻ってくるハッピー・エンド(?)を迎える。よって本作はカッシングが死体をちぎっては投げ、ちぎっては投げというような怪奇映画を期待すると非常にがっかりすること間違いなしである。勿論、私も大きく落胆した人の一人である。

また、本作はイギリス版とその他の地域版が存在している。その他の地域版では酒場の女性の大半が胸を露出しており、中には全裸の女性もいるのであるが、怪奇映画への検閲の厳しいイギリス版では同じ女性が全て服を着ている。1960年に制作されたことを考慮すると、モノクロ映画とは言え、その他の地域版は相当に過激な性描写をしていることに何とも驚かされる。