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姦婦の生き埋葬

The Premature Burial(1962)

Director
ロジャー・コーマン

Cast
レイ・ミランド / ヘイゼル・コート / ジョン・カー / ルアナ・アンダース

Production Company
AIP

AIP/ロジャー・コーマンのポオ・シリーズ第3作目。『姦婦の生き埋葬』(1962)という何ともおどろおどろしい公開当時の邦題は、新東宝を率いる大蔵貢のネーミングセンスによる。以前国内盤ビデオがリリースされた際は流石に『早すぎた埋葬』と原題に正しく直されていたが、当サイトではあえてこの公開時のタイトルにて統一することとする。

硬直症の父親が死亡し埋葬された際、納骨堂から呻き苦しむ声を聞いたと信じて疑わないガイ・カレルは、自らも硬直症で生きたまま埋葬されるのではないかという妄想に取り憑かれ、恐怖に慄く日々を暮らしていた。ガイの妄想は日に日に増し、遂には妻のエミリーの助言にさえ耳を傾けず、納骨堂に篭るようになってしまう。そしてある日、遂にガイに硬直症の発作が起こる!意識はあるものの体を動かすことができずに医師達に死を判定されてしまったガイは、彼が最も恐れていた事態を迎えようとしていた。

既に前2作において「早まった埋葬」を要素として組み込んでしまっていたため、既視感を覚えるものの「早まった埋葬」単独での映画化作品としては本作が最初となる。本作では脚本がリチャード・マシスンからチャールズ・ボーモントとレイ・ラッセルに変わったためか、前2作で見られた精神薄弱な主人公に対して異常なまでに詰問する訪問者という構図は影を潜める。その結果、それまでの脚本に見られた強引な違和感はなくなり、物語は自然な流れを感じさせるのが良い。

また、ヴィンセント・プライスに変わり主役を演じるレイ・ミランドは、怪奇俳優としての魅力はプライスに劣るものの、繊細で神経質なポオの精神世界の住人を演ずるプライスにはやや違和感を感じる私としてはレイ・ミランドの偏執狂的な演技の方がよりしっくりくるものがあった。どことなくイジワルな印象を与える美女、ヘイゼル・コートも悪女を演ずるとぞくぞくするまでの魅力があり、初期ポオ・シリーズの中で最も好きな作品である。