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吸血鬼

The Fearless Vampire Killers(1967)

Director
ロマン・ポランスキー

Cast
ロマン・ポランスキー / ジャック・マッゴ-ラン / シャロン・テート / ファーディ・メイン

Production Company
MGM

吸血鬼映画のパロディものは数あれど、その最高峰とされるのがロマン・ポランスキーが監督した本作『吸血鬼』(1967)である。本作はまた、ヒロインを演じたシャロン・テートが撮影後にポランスキーと結婚し、妊娠中にチャールズ・マンソンによって殺害されたことでも有名な作品でもある。シャロン・テートの世を儚むようなその美しさが印象的な作品だけに、本作が彼女の遺作となってしまったのは非常に残念でならない。

吸血鬼退治の旅を続けるアブロンシウス教授と助手のアルフレッドは、吸血鬼を求めトランシルバニアの片田舎に辿り着く。アルフレッドは宿屋の娘サラの美しさに一目惚れするが、ある晩サラは吸血鬼であるクロロック卿にさらわれ、宿屋の主人も吸血鬼と化してしまう。長年吸血鬼を追い求めていた教授とアルフレッドの二人はサラを救出し、吸血鬼を退治すべく意気込んでクロロック卿の城へと乗り込むのであったが・・・。

さて、ポランスキーの快作と評価の高い本作であるが、コメディ好きの私としては多少首をかしげざるを得ない。確かに面白おかしい作品であるし、噴き出すような要素も数多く見られる。しかしどうもテンポが悪い。アブロンシウス教授もアルフレッドも生真面目にボケ続けるため、ツッコミがいないのが一因かもしれない。また、メル・ブルックスの『ヤング・フランケンシュタイン』(1974)が徹底してコメディ映画であるのに対して、本作は怪奇映画的でもあり、コメディ映画的でもあり、どっちつかずなようにも思われる。

しかし、同時代のハマーが数多く生み出した正統派の吸血鬼映画を彷彿とさせる映像は、怪奇映画の愛好家をも十分に満足させるだけの風格を持ち合わており、流石はポランスキー、とマニアをも唸らせることは事実である。ファーディ・メイン演ずるクロロック卿のスノッブな立ち振る舞いや、雪景色を背景にそびえ立つ城壁、深夜に開かれる吸血鬼達の舞踏会、と怪奇映画としての見所も十分と言える。シャロン・テートへの哀悼の意も込め、今後も語り継がれていくであろう作品であることは間違いない。