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キャット・ピープル

Cat People(1981)

Director
ポール・シュレイダー

Cast
ナターシャ・キンスキー / マルコム・マクダウェル / ジョン・ハート / ヨラオ・ボヤジス

Production Company
ユニヴァーサル

RKOの傑作『キャット・ピープル』(1942)のリメイク作品。主役のアイリーナを体当たりで演じるナターシャ・キンスキーは、言うまでもなく怪優クラウス・キンスキーの実の娘である。その親譲りの神経質で幸薄そうな顔立ちは、猫族という非現実的な設定に説得力を持たせるのに絶妙なキャスティングではあったが、あくまで優雅であったオリジナルとは異なり野性的なイメージを生み出してしまっているのも事実である。

また時代が変わり、モラルも緩やかとなったことを受けてか、物語自体も大幅な変更を受けている。オリジナルでは性的な描写が一切なく感情の高ぶりによって変身する設定であったキャット・ピープルは、本作では人間とセックスをすることで猫族の姿となり、その相手を喰い殺さなくては人間の姿には戻れないという設定となる。そして、その呪いを避けるためには近親相姦による種の保存以外に術はない。

この余りに直接的で露骨な性的要素の介入は、私にはひどく低俗であるように感じられてならない。古典的なオリジナルのままでは現代では刺激が足りないことを意識してのことであろうが、それならばいっそのことリメイクなどしないで欲しかったとすら思う。作品自体も散漫な感は否めず、傑作と呼ぶに相応しいオリジナルと同じシークエンスを見せられても映像そのものの魅力に欠けている。見るべき点はナターシャ・キンスキーの裸体のみであり、故に本作に対する私の評価は駄作以外の何物でもない。

ナターシャ・キンスキーのみに着目するならば、本作は『テス』(1979)と並んで彼女が最も輝いていた頃の作品であり、充分に彼女の魅力を堪能することができるのは確かである。しかし、映画の見るべき点がそれしかないというのは何とも情けない話である。