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遊星からの物体X

The Thing(1982)

Director
ジョン・カーペンター

Cast
カート・ラッセル / A・ウィルフォード・ブリムリー / リチャード・ダイサート / ドナルド・モファット

Production Company
ターマン・フォスター

ハワード・ホークス製作の『遊星よりの物体X』(1951)を、原作の「影が行く」により忠実な形でジョン・カーペンター監督がリメイクしたSFホラー映画の傑作。カーペンターの最高傑作の一つとして挙げられることも多い作品である。

銃や手榴弾を使ってまで執拗に1匹の犬を追う、ノルウェーの南極観測隊のヘリがアメリカの南極観測基地へとやってくる。極寒の僻地で狂気に捕われたものとみなし、アメリカの観測隊はノルウェーの観測隊員を射殺し、犬を保護する。しかし、保護された犬は犬小屋でグロテスクな生物に変形し、おぞましい化物の姿を現す。そう、ノルウェー隊が発見した「それ」は生物に擬態し、増殖する宇宙からの侵略者なのであった。やがて、隊員達は誰が人間で誰が同化されている化物なのか判別できなくなり、疑心暗鬼に陥っていく。

スタン・ウィンストンやロブ・ボッティンらによる特殊メイクは、大きく好みが分かれる部分でもあり、私のように古典的な怪奇映画を至上とする人間にとっては「悪趣味なデザインだなあ。でもこれ、どうやって撮影してるんだろう?」程度の関心で興醒めすること甚だしいのであるが、80年代のスプラッター・ブームにおけるモンスター・デザインの方向性を決定付けたという意味では本作の影響力は計り知れない。

その悪趣味なデザイン・センスさえ除けば、本作『遊星からの物体X』(1982)は非常に良く出来た作品である。閉鎖された極限状態の中で、疑心暗鬼に駆られながら「それ」と対峙していく息詰まる展開は、恐ろしいまでの閉塞感と絶望感を観る側にも植え付けてくる。一般的に、リメイク作品はオリジナルを超えることがないのが映画界における暗黙のセオリーであるが、本作に関しては珍しくオリジナルを超える恐怖感を生み出すことに成功している傑作と言うことができるだろう。