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オペラ座の怪人

Andrew Lloyd Webber's the Phantom of the Opera(2004)

Director
ジョエル・シューマカー

Cast
ジェラルド・バトラー / エミー・ロッサム / パトリック・ウィルソン / ミニー・ドライヴァー

Production Company
オデッセイ

日本では劇団四季が公演していることで知られる、アンドリュー・ロイド・ウェーバーの本家ブロードウェイ・ミュージカルの完全映画化作品。怪人エリックを演ずるジェラルド・バトラー、ヒロインのクリスティーヌを演ずる若干16歳のエミー・ロッサムをはじめとしてキャストが全て実際に歌っているのには驚かされる。

シャンデリアが上昇すると共に古びたオペラ座が息を吹き返す冒頭のシーンや、豪華絢爛なセットと衣装は圧巻。しかし、あくまで本作は怪奇映画ではなくミュージカル映画であり、怪奇幻想の愛好の士を満足させるには程遠い。台詞の大半が歌という演出は好みの大きく分かれる点であるし、何よりもエリックのマスクが半分で素顔が覗けるのがいただけない。

そう、エリックは醜くなくてはいけないのである。天才的な才能を持ち、その声だけで「音楽の天使」としてクリスティーヌを魅了したにも関わらず、素顔を一目見られただけで「怪物!」と罵られ迫害されるエリックの悲劇は、その顔が醜いからこそなのである。顔立ちの整ったバトラーが顔半分にだけ多少のメイクを施した程度ではその悲劇は説得力を持たない。メイクのない顔半分をマスクで隠さずにいる所も本来は男前であった、もしくは演ずる役者は男前なのだというアピールのように受け取れる。

だからこそ怪奇映画屈指の名シーンであるアンマスクシーンにも全く感動はなく、むしろロン・チャニーの偉大さに想いを馳せさせるだけでしかない。本作の欠点はこの屈折したロマンティシズムが作品の根底に流れていない点にある。やはりロン・チャニーは偉大であったことを再認識させられる豪華な駄作。