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ぼくのエリ 200歳の少女

Låt Den Rätte Komma In(2008)

Director
トーマス・アルフレッドソン

Cast
カーレ・ヘーデブラント / リーナ・レアンデション / ペール・ラグナル / ヘンリック・ダール

Production Company
EFTI

スウェーデンの作家ヨン・アイヴィデ・リンドクヴィストによる『モールス』を原作とした映画化作品であり、後にハマーが『モールス』(2010)としてリメイクした作品。本作『ぼくのエリ 200歳の少女』(2008)は原作者自身が脚本を担当しているため、かなり原作小説に近い構成となっている点が『モールス』との大きな相違である。

さて、本作と『モールス』を細かく比較すると、圧倒的に本作の方が世間の評価は高い。まず、原作同様にスウェーデンを舞台としているため、美しくも荒涼とした寒々しい風景が映像を支配している点。そして原作に忠実である事で、オスカーの父親、パブに集まる飲んだくれ達といったエリとオスカー以外の登場人物達が物語に厚みを持たせている一方で、台詞が効果的に削ぎ落とされている点。演出や音楽の流れるタイミング等が実に繊細で、ヨーロッパ映画的な質感を感じさせる点。『モールス』はハリウッド的で大衆的で分かりやすく、『ぼくのエリ 200歳の少女』はより完成度が高く芸術的である。

しかし。あえて言おう。私は『モールス』の方が圧倒的に好みである。それは単純にアビーを演ずるクロエ・グレース・モレッツがあまりに可愛く、リーナ・レアンデションが単純に私の好みじゃないという、何とも俗な理由もあることはある。しかし、このキャスティングには実は非常に大きな意味がある。原作未読者のためにあえて伏せておくが、アビーはリーナ・レアンデションのような外見である必要性があるのである。それは是非とも原作を読破した上で判断を下して欲しい。

原作はかなりショッキングで下世話な描写も含まれているのであるが、私としては、『モールス』、原作、本作の順で全てを見て欲しいと思うほど、近年稀に見る傑作である。是非原作と合わせて御一見を。