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ジュネ/ロック・オブ・ロマンス

Genet/Rock of Romance

高校生当時、洋楽一辺倒であった私が日本のロックをも聴くようになり、ライブハウスへと足繁く通うようになったのが、このジュネ/ロック・オブ・ロマンスである。当時私は洋楽の80年代ゴシックばかりを聴いていたのであるが、ある日ふと手にしたオート・モッドのCDに日本でもこれだけの音を出していたバンドがあったのかという目眩にも似た感動と、「自分が捜し求めていた音楽はこれだ」という全身を貫く衝撃を覚え、ならばその音を直に聞きたいと感じた。余談ではあるが、私が現在までにこれだけの全身を貫くような衝撃を覚えたバンドは、シスターズと、このジュネ率いるオート・モッドだけであった。そして、1985年に解散したオート・モッドのジュネがある意味で自らの音楽性の原点で再び復活をし、活動を精力的に開始したのがこのロック・オブ・ロマンスである。

91年に活動を開始したこのバンドはハード・ロックを意識しながらもジュネ特有の毒々しさを持ち合わせ、正に90年型のオート・モッドと形容するに相応しく、「ジュネ完全復活」を我々に強烈にアピールするものであった。91年12月21日深夜のプレ・デビュー・ライブは超満員となった新宿ロフトで異常なまでの熱気の中行われ、私はこの日遂に伝説とうたわれるジュネのライブ・パフォーマンスに触れたのであった。それからというもの私はこのロック・オブ・ロマンスの熱狂的信者となり、そのライブの殆ど全てへと足を運んだ。

ロック・オブ・ロマンスを語る上で決して忘れてはならないのがオペレッタ・リアリゼーションと名付けられた一連のシリーズ・ギグである。これはチッタ規模のホールでパフォーマー達を引き連れ行われた演劇性の強いライブで、寺山修司的アングラ演劇とロックの融合を試み続けるジュネのある意味完成形態とも言える凄まじいステージである。ステージではその鍛え抜かれた身体を黄金に染め抜いたパフォーマー達が火を吐くかと思えば、女性ダンサーが艶かしく踊り、顔面に包帯を巻かれたパフォーマーが飛びはねる等、正に狂乱の見世物小屋的パフォーマンスであった。諸般の事情からその公演は全5回と留まってしまったものの、完全なる独自性と非日常的空間の演出はそれはもう絶句するに相応しい程の毒々しい芸術性を兼ね備えていた。

ロック・オブ・ロマンスは現在解散し、ジュネは遂に「オート・モッド」という名の下新たなる音楽性を求め活動を行っているが、やはり私にとってこのロック・オブ・ロマンスは決して忘れることのできない貴重な体験であったと言えよう。