ロンドン・アフター・ミッドナイトは、日本におけるビジュアル・バンドの文化が逆輸入されたかのような印象を受けるバンドである。90年代にFool's Mate等の雑誌を飾っていた、いわゆるお化粧系のバンド達と彼らの外見はまったく違和感がなく並べることができる。実際のところ、彼らの音楽性もまたどこかで聞いたことがあるような印象すら受ける。ただ日本のビジュアル系バンドの音楽性が歌謡ロック的であるのに対して、ロンドン・アフター・ミッドナイトは、ゴシック系の香りを漂わせているのが唯一の相違点であろうか。
ロンドン・アフター・ミッドナイトはヴォーカル兼ギターのショーン・ブレナンによって1990年にその活動を開始した。92年に自主制作盤としてリリースされ、後にCD化されたファースト・アルバムはノスフェラトゥにも似た、濃厚にゴシックの雰囲気を漂わせた典型的サウンドであり、キーボードとギターが絡むその淡々としたサウンドを特徴としていた。その後のセカンド・アルバムでは、よりバンドとしてのメロディラインが確立され、ロンドン・アフター・ミッドナイトとしての「色」が明確となるが、やはりこれも個人的には数あるゴシック・バンドの域を突破するには至っていないようにも思う。
にも関わらず、彼らのアルバムは幾度となくジャケットを変え再発され、ある時はピクチャー・レーベルとなり、新宿の店では彼らのサイン入りのアルバムが売られる等、90年代のゴシック・バンドとしては筆頭に挙げるべき活動振りを見せている。これは勘ぐるに、ヴィジュアル嗜好の強い彼らのそのルックスによる人気がその繰り返されるリリースの理由であるように私は思う。メンバーは皆美形揃いであり、日本のヴィジュアル系バンドかと見紛うそのルックスは確かに人目を引き、ファンを数多く獲得するのに成功したと言える。いわゆる耽美的なゴシックという音楽性もその雰囲気を作り上げるのに貢献したであろう。
1998年にはキュアーとの共演も果たし、現在彼らこそが最も勢いのあるゴシック・バンドであることは疑いようのない事実である。しかし、私が感じる限りではロンドン・アフター・ミッドナイトはバンドとしてはあくまで「これから」が楽しみなバンドであり、シスターズ以降、美形ビジュアル志向の強まった数多のゴシック・バンドの中から独自のサウンドを生み出せるかが彼らのターニングポイントであると思わなくもないのである。
![]() |
Selected Scenes From The End Of The WorldReleased 1992 |
![]() |
Psycho MagnetReleased 1996 |
![]() |
OdditiesReleased 1998 |
| Previous Page | Back to Music Top | Next Page |
| Back to Menu | ||
Copyright(c) 1998-2007 Castle of the Darkness