シスターズ・オブ・マーシーはゴスの帝王と形容される。その漆黒のベールに包まれた彼らの音楽性は、ゴシック・ロックの代表的存在であり、数多くのフォロワーを生み出している。しかしそれらの多くは所詮シスターズの域に到達するべくもなく、キング・オブ・ゴスは誰が何を言おうと、やはりシスターズでしかありえない。
シスターズ・オブ・マーシーは、1980年にアンドリュー・エルドリッチを中心にリーズで結成。当初はドラムがいたものの、その後リズム・ボックスを起用した非常に無機質で暗いトーンをその特徴とするサウンドが形成される。初期シスターズは正に暗黒的とも言うべき淡々としたリズムにメロディアスなギターが重なり、そしてエルドリッチの重く暗いしゃがれた声が乗るという曲の構成が特徴的であり、ゴスの帝王たる地位を早くもこの時期に確立していた。しかし、85年7月に来日直前にしてギターのウェイン・ハッセイとベースのグレッグ・アダムスが脱退し、解散。多くの日本のファンは涙を飲んだという。
その後エルドリッチは87年に元ガン・クラブのパトリシア・モリスンをパートナーとしてシスターズを再結成。ファースト・アルバムでのアコースティック/エレクトリック・ギターをキーボードの音に乗せ、よりドラマティックな曲構成が強いセカンド・アルバム『フロッド・ランド』は爆発的なヒットを飛ばし、ゴールド・ディスクとなる。その後サード『ヴィジョン・シング』はセカンドよりもストレートなロック色が強まり、西ドイツでゴールド・ディスクとなっている。
私がシスターズを聞いた時、全身に鳥肌がたった。自分が捜し求めていた音楽に出会ったという衝撃、とでも言おうか。無論それは後々考えた理論でしかないが、直感的にすさまじいまでの衝撃と、圧倒的な感情の波に飲まれたのである。暗い雰囲気に包まれながらも、ニューウェーブ的な音の広がりがあり、まさに私が理想としていた音楽に他ならなかった。以来私はシスターズのとりこになった。シスターズ・オブ・マーシーこそが私の青春時代の音楽であり、最も敬愛するバンドである。
残念ながら98年の来日も、チケットの売れ行きの関係から直前に中止となり、我々が生きている内にシスターズを目にすることは出来ないかも知れないが、もしも、シスターズをこれから聞いてみようという方がいるならば、私はセカンド『フロッド・ランド』か、ベスト・アルバム『グレイテスト・ヒッツ』をお勧めする。特にベスト盤の方はこれ以上ないという程シスターズの珠玉の名曲がつまった傑作である。
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First And Last And AlwaysReleased 1985 |
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FloodlandReleased 1987 |
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Vision ThingReleased 1990 |
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Some Girls Wander By MistakeReleased 1992 |
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A Slight Case Of Overbombing: Greatest Hits Volume OneReleased 1993 |
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