Mystery of the Wax Museum (1933)
Director:マイケル・カーティス
Cast:ライオネル・アットウィル / フェイ・レイ / グレンダ・ファレル / フランク・マックハー
Production Company:ワーナー
チャールズ・ベルデンが執筆した未公開演劇用脚本を、ワーナーが当時試験的に採用していた二色式テクニカラーで映画化した作品。二色式テクニカラー技術は、本作を最後に以降大手映画会社では使用されなくなってしまう。なお本作は、後の1953年にヴィンセント・プライス主演で、より怪奇色を強めてリメイクされている。
ロンドンで芸術的な蝋人形を作り上げていたイゴールは、蝋人形館の出資者が保険金目当てで蝋人形館に火を放ったことで作品の全てを失い、両腕にも酷い火傷を負ってしまう。それから12年後のニューヨーク。イゴールは弟子達に作品を作らせ再び蝋人形館を再開する。しかし、そこに展示されていた人形達は相次いで盗まれた遺体の顔と非常に酷似していた・・・。
物語自体は53年版とほぼ同一と言ってもよい内容であるが、男勝りな新聞記者フローレンスがちゃきちゃきと話を進める分、本作の方がテンポが良く軽快な作りとなっている。また偶然かもしれぬが、本作は二色式カラー、53年版は立体映像と、『肉の蝋人形』はどちらも当時の新しい技術の試みが成されている点が非常に興味深い。
本作『肉の蝋人形』(1933)はフィルムが消失していたと長年思われていたが、ジャック・ワーナーの私的貯蔵室からフィルムが発見され、今に至っている。ユニヴァーサルでは脇役に甘んじることの多かったライオネル・アットウィルが主演し、フェイ・レイが華を添えている本作がカラーで観られるということは、何とも嬉しい限りである。
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