Village of the Damned (1995)
Director:ジョン・カーペンター
Cast:クリストファー・リーブ / カースティー・アリー / マイケル・パレ / マーク・ハミル
Production Company:アルファヴィル
『遊星からの物体X』(1982)では古典SF『遊星よりの物体X』(1951)を新たなるアプローチからリメイクしたジョン・カーペンター監督によるジョン・ウィンダムの『呪われた村』の3度目の映画化作品。本作は最初の映画化作品である『光る眼』(1960)の正当なるリメイク作品であり、ウィンダムの原作よりも60年版『光る眼』を強く意識した作りとなっている。
さて、リメイク作品の宿命としてやはりどうしてもオリジナル版との比較がなされてしまうのはいたしかたのないことであるが、私はこのカーペンター版は傑作とされるオリジナル版と比較しても遜色のない、なかなかよくできた作品であると思う。60年版では何の説明もなく子供達を一斉妊娠するという展開のミステリアスさや、忍び寄る共産主義に対する恐怖という社会的な影がその恐怖を高めるのに一役買っていたのであるが、本リメイク版では女性からの視点を加えることで、未知の存在に対する個人の恐怖というものがより強調されている。
自らの腹を痛めて産んだにも関わらず、誰の子供かも分からず困惑する親達。そして異常な速度で成長し、感情を持たぬ子供達に対する恐怖と、その一方で親として芽生える自らの子供に対する愛情。本リメイク版は女性の視点を加えたことで、オリジナル版には存在しなかった、新たなる恐怖を生み出すことに成功している。やはりジョン・カーペンターは偉大なるB級ホラー・SF作家である。
なお、主演のスーパーマン俳優のクリストファー・リーブは、皆さんも御存知の通り本作品撮影後の落馬事故により、残念なことに半身不随となってしまった。恐らくは本作品が彼の元気な姿を見ることのできる最後の映画である。
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