And Now the Screaming Starts! (1973)
Director:ロイ・ウォード・ベイカー
Cast:ピーター・カッシング / ハーバート・ロム / パトリック・マギー / ステファニー・ビーチャム
Production Company:アミカス
ハマー・フィルムで『ドラキュラ復活 血のエクソシズム』(1970)や『バンパイア・ラヴァーズ』(1970)等を監督したロイ・ウォード・ベイカーがアミカスで監督をした長編作品。ピーター・カッシングやハーバート・ロムといった出演陣もハマーと被り期待は高まるが、そこはアミカス、何とも小粒な作品である。
フェングリフェン家へ嫁いだキャサリンは、夫であるチャールズの待つ古城へと移り住む。しかしキャサリンはその夜、腕のない手首に押さえつけられる恐ろしい体験をする。屋敷に霊的な存在を感じ取る彼女であったが、召使や顧問弁護士、さらには夫のチャールズすらもが口をつぐみ何かを隠しているかのような態度。実はフェングリフェン家には、放蕩な祖父ヘンリーの代からの呪いがかけられていた。やがてキャサリンにその呪いが降りかかる。
何故ハマーの監督、役者陣でここまで面白くないのだろう?と首を捻りたくなるほどの小粒っぷり。『ドラキュラ'72』(1972)の生意気な小娘、ステファニー・ビーチャムは熱演しているものの、肝心のカッシングやハーバート・ロムの登場が後半になっており、それまでテンションを維持することは難しい。また、地を這う手首もゼンマイ仕掛けのおもちゃであることが明白で、笑いを禁じ得ないのはいかにもアミカスらしい。
自らの家系にかけられた呪いのことを知りながら、そのことをひた隠しにしようとする夫チャールズに感情移入は困難であるし、そもそもステファニー・ビーチャムの意地悪そうな口元が苦手な私にとって、本作はなかなか観返すのに腰が重くなる作品である。
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