The Resurrected (1991)
Director:ダン・オバノン
Cast:クリス・サランドン / ジョン・テリー / ジェーン・シベット / ロバート・ロマナス
Production Company:スコッティ・ブラザーズ
AIP/ロジャー・コーマンがヴィンセント・プライス主演で製作した一連のポー・シリーズの中の『怪談呪いの霊魂』(1963)に続く、ラヴクラフトの「チャールズ・ウォードの奇怪な事件」の2度目の映画化作品。個人的にはラヴクラフトの映画化作品の中では1、2を争う好きな作品である。
私立探偵ジョンのもとに、クレアという女性がやってくる。彼女の夫、チャールズ・ウォードは化粧品会社に勤める化学者であったのだが、祖先に関する書類を受け取ったことを機に郊外の実験室に閉じこもり、日夜不審な研究を続けているという。夫の行動を調査して欲しいという依頼を引き受けたジョンは、チャールズの身辺を調査するうちに、彼が行っている恐るべき研究に巻き込まれていく。
本作は舞台を現代に置き換えてはいるものの、ラヴクラフト原作と称する映画群の中では比較的原作に忠実な作品と言える。前半の推理小説的な展開にはやや期待を削がれるが、それでも後半のカーウィンの地下洞窟がしっかりと描かれている点で十分に満足させられる。惜しむらくは地下シーンの大半が暗すぎて画面がよく分からないところであるが、それもまあ、リアリティの演出と割り切れば割り切れないこともない。むしろ、暗闇の中に蠢く不完全なる復活体の恐ろしさが掻き立てられているとも言えるだろう。
ウォード及びカーウィンを演ずるのが『フライトナイト』(1985)の吸血鬼、クリス・サランドンというのも人外ならざる存在感を遺憾なく発揮しており、マニアには堪らない。ラヴクラフティアンは勿論のこと、怪奇映画好きの方にも是非観て頂きたい作品である。
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