The Blair Witch Project (1999)
Director:ダニエル・マイリック / エドゥアルド・サンチェス
Cast:ヘザー・ドナヒュー / マイケル・C・ウィリアムズ / ジョシュア・レナード / ボブ・グリフィン
Production Company:ヘクセン・フィルムズ
1994年、モンゴメリー大学映画学科に所属するヘザー、ジョシュ、マイクの3人の学生が、「ブレア・ウィッチ」と呼ばれる魔女伝説のドキュメンタリー撮影のためブラック・ヒルズの森へと入ったまま、行方不明となった。そして、その後の捜索の結果見つかった彼らのテープが映画として公開された。
近年で最も話題を呼んだホラー映画。インターネットや偽のニュース番組等による宣伝戦略や、完全なドキュメンタリーで展開される本編といった斬新な試みが功を奏し、全米はおろか日本でも大ヒットとなったのは記憶に新しい。映画そのものが、発見されたドキュメンタリーテープであるという設定から殆ど無名に近い3名の役者達が本当に自ら撮影したハンディカメラの映像のみで本作品は構成されており、手ブレによる「酔い」を伴うことも話題となった。しかし、その演出による緊迫感は凄まじいものがあり、徐々に精神的に追い詰められていくヘザー達の等身大の恐怖が見る側に伝わり、森という外の空間にも関わらず強烈な閉塞感に溢れた傑作となっている。
本作品の成功はインターネット等による宣伝効果をうまく利用し、あたかもこの映画が実在の事件であったかのような徹底した展開を行ったこともあるが、やはりドキュメンタリーという手法を用いてホラー映画を撮ったという、その発想にあるように思う。ここまで完全に徹底されたドキュメンタリー風のホラー映画はかつて存在しなかったし、そのドキュメンタリー風の映像が素人による撮影であったというのも素晴らしい着眼点であった。しかし、本作品の続編の制作が決定したのを聞くにつけ、これはあまりに無謀であるように思えてならない。本作品がヒットした原因がその斬新な発想にあったということは、それと同様の手法は続編には用いることはできないのである。続編の制作は恐らく本作を上回る新たな発想がなくては成功には至らず、平凡なホラー映画として終わってしまうのではないかと私は危惧している。
果たして続編は周囲の期待に応えられるものとなるのであろうか。個人的には、平凡な結果として終わることを予想するが、一体どうなるであろうか。楽しみである。
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