G-シュミット
G-Schmittはレコード屋で「サ行」に並べられていることが多い。このページを見た方の大半の人もおそらくはこのバンド名を「ジー・シュミット」と読んだのではないかと思う。しかし、このバンドは「ゲー・シュミット」と読むのが正しく、レコード屋で「カ行」に並べられていたならば、その店はなかなか分かっている店である。
G-Schmittは83年に活動を開始し、ヴォーカルのSYOKOの持つ独自の幻想的な詩の世界観を反映させた音楽性、独自性を持ったバンドであった。特にファースト・アルバムの『Modern Gypsies』は当時のインタビューで当人が語ってもいる通り、過剰なまでの幻想的な詩と音楽性を全面に押し出し、強烈な彼らの存在感や独自性をアピールしていた。この過剰な装飾はセカンド・アルバム以降は影を潜めて行くが、個人的にはこの初期G-Schmittの世界観が好きで、今でもよく聞いている。
G-Schmittは当時Auto-Modが開始したシリーズ・ギグ「時の葬列」にも参加していたことで知られるが、突出した個性が強かったいわゆる「ヴェクセルバルグ」系列のバンドの中でも、G-SchmittはヴォーカルSYOKOの可憐でありながら内に秘めたる力強さを感じさせるような、確たる存在感を放っていた。昨今のインディーズには決して見られないような特殊な位置を確立していたという意味でもこのバンドは優れた存在であったと思う。今となっては彼らの音に触れることは困難かもしれないが、中古等で見かけたならば是非聞いて見て欲しい音楽である。インディーズがまだ自主制作という名の元で、メジャーでは決して成し得ない音楽を展開していた頃の優れた感覚というものに触れることができるだろう。
Discography (Album)
Released 1985
01.Limit / 02.The 1001 Nights / 03.Farewell / 04.Waltz
Released 1986
01.Mescaline Dream / 02.Belladonna / 03.Lotus Garden / 04.Someday Somewhere / 05.Disaster / 06.Grand Cirle
Released 1987
01.Kの葬列 / 02.Catholic (New Vocal) / 03.Limit / 04.The 1001 Nights / 05.Farewell / 06.Waltz / 07.Mescaline Dream / 08.Belladonna (Re-Mix) / 09.Lotus Garden / 10.Someday Somewhere / 11.Grand Circle / 12.Public Game / 13.Farewell
Released 1988
01.Balsam / 02.Future Daze / 03.Le Paradis / 04.Obsession Obscure / 05.Cathedral Junky / 06.Coda (Bitter Liquid in Chalice) / 07.Lemuria / 08.Isis (Darkness)
Released 1988
01.Balsam / 02.Future Daze / 03.Coda [II] (The Ark) / 04.Isis (The Darkness) / 05.Es / 06.Le Paradis / 07.Cathedral Junky / 08.Obsession Obscure / 09.Icaros Descending [II]
Released 1989
01.遊戯終焉 I / 02.Someday Somewhere (Film Noir Version I) / 03.The End Of The Game
