ゴースト・ダンス

The Sisters of Mercyの初代ギタリストであったゲイリー・マルクスが、当時ポストSiouxsie and the Bansheesと噂されていたSkeletal Familyのヴォーカリストのアン・マリーと結成したバンド。と説明すれば分かる通り、私がこのバンドの存在を知ったのは、The Sisters of Mercyからの流れである。結成当初の音楽性は切々とメロディーを歌い上げていく叙情的なゴスであり、初期Sistersの無機質な音楽に女性ヴォーカルがのっているという印象が強かった。しかし、その後ジョーン・ブランドをプロデューサーに迎えたセカンド・アルバムでは、音楽的に大きく発展し、ゴシック色を残しながらもポップなサウンドへと大きく成長した。
特に、既に発表されていた「Celebrate」がセカンドには新しいヴァージョンで収録されているが、そのアレンジ、音楽的な構成の変化等に、このバンドの大きな成長の後が見られる。叙情的サイケな色合いが濃かった初期の楽曲も私は大好きなのではあるが、この変化は喜ぶべき変化であると言えよう。
その音楽性の発展、もしくはポップ化は下のジャケット・デザインの変化を見て頂ければ一目瞭然であろう。一枚目のシングル・コンピレーションではゴシック以外の何者でもないという感じのデザインであるのに対して、セカンドはある種あか抜けた印象さえ与える。女性ヴォーカルでクラシカルな叙情的ゴスの代表格がAll about Eveであるならば、Ghost Danceはロック的な叙情的ゴスと言えるかもしれない。
現在セカンド・アルバムはCD化されてはいるものの、一般店舗ではまず入手困難である。しかし、先にも挙げた「Celebrate」等、いわゆるメジャーの土俵でも充分勝負できるだけのクオリティを持った楽曲ばかりであるので、是非見かけたら入手してみて欲しいバンドである。私の趣向はかなり一般性を欠いているのは充分承知してはいるが、このGhost Danceに限っては、かなり一般性の高いバンドであり、優れたバンドであると強くお勧めできるのではないかと思う。
Discography (Album)
