ジェームス・レイ・アンド・ザ・パフォーマンス

James Ray and the Performanceは、The Sisters of Mercyを率いるアンドリュー・エルドリッチの片腕としてThe Sisterhoodに参加したジェームス・レイが、1986年から89年まで活動を行った自身の最初のバンドである。そして、彼らはエルドリッチのレーベルであるマーシフル・リリースと契約した最初期のバンドの一つでもある。
The Sisterhoodでみせたエルドリッチばりの低くしゃがれたレイのヴォーカルに、The Sisters of Mercyを思わせるドラム・マシーンの無機質なリズム、いわゆる「マーシー・ビート」を基調とした暗くダンサンブルな音楽。特に彼らのファースト・シングルは、エルドリッチがプロデュースを行っただけに、The Sisterhoodを強く彷彿させる。
彼らの歌詞には南部アメリカへの憧憬が強く見られるものの、強烈なダンスビートを軸にエレクトリカルな展開を見せる後のJames Rays Gangwarに比べると、その音楽的個性はまだ薄い。しかし、それ故にThe Sisterhoodの完全なる延長線上のサウンドとして、シスターズ・ファンはある意味安心して聴くことができるとも言えるかもしれない。
彼らは3枚のシングルをリリースし、そのコンピレーションである『A New Kind Of Assassin』をリリースした後に、メンバーを入れ替えレイを中心としたJames Rays Gangwarへと変遷していくことになる。