Labyrinth (1986)
Director:ジム・ヘンソン
Cast:デビッド・ボウイ / ジェニファー・コネリー / ブライアン・ヘンソン / フランク・オズ
Production Company:ヘンソン・アソシエイツ
『ダーククリスタル』(1982)に続いてジム・ヘンソンが監督した、マペット操演のファンタジー映画。脚本はモンティ・パイソンのテリー・ジョーンズ、製作総指揮にジョージ・ルーカス、特撮はルーカス率いるILMと、当時考えられる最高の布陣。そして、人気絶頂にあったジェニファー・コネリーと我らがデビッド・ボウイ主演という、豪華製作陣に負けず劣らずの豪華キャスティング。私が観ないわけがない。
両親の外出中に幼い弟トビーのお守りを任されたサラは、なかなか泣き止まないトビーに腹を立て、おとぎ話の呪文の一節を口にする。「この子をどこかに連れ去って!」その言葉を口にした途端、トビーの姿は消えてしまう。何とトビーは本当にゴブリンの王ジャレスによってラビリンスへと連れ去られてしまったのだ。サラは弟を連れ戻すべく、不可思議な妖精やゴブリン達が住む異世界、ラビリンスへと向かうのであった。
『ダーククリスタル』が大人の視聴に耐えうるアダルト・ファンタジーであったのに対して、『ラビリンス 魔王の迷宮』(1986)はミュージカル仕立てであり、どちらかと言うと子供向けなファンタジーである。ジム・ヘンソンらが操るマペット達も奇妙ながらもどこかしら愛嬌のあるデザイン。劇場公開当時の私は残念ながら本作の対象年齢を既に上回っており、少々退屈に感じたのも事実である。
しかし、それでもなお本作が観る者を魅了してやまないのは、とにかくゴブリンの王ジャレスを演ずるデビッド・ボウイの恰好良さにある。無論ジェニファー・コネリーの美少女っぷりも素晴らしいのではあるが、私はやはりボウイに釘付けとなった。流石に現代の目で見るとグレーのスパッツは如何なものか。という部分もあるが、とにかく本作のボウイは問答無用で恰好いい。
ボウイが3つの水晶球を手のひらでくるくると優雅に回すさまや(このシーンのメイキングは必見である)、奇妙な仮面をつけた者達の中でジェニファー・コネリーと踊るさま、エッシャーのだまし絵のような回廊で彼女を翻弄するさま等、ボウイを目当てに観ずとも、本作はその美しくも不可思議な世界に引き込まれること請け合いである。必見。
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