King Kong (1933)
Director:メリアン・C・クーパー / アーネスト・B・シェードザック
Cast:フェイ・レイ / ロバート・アームストロング / ブルース・キャボット / フランク・ライチャー
Production Company:RKO
日本が世界に誇る怪獣王ゴジラと共に世界的人気を二分する巨大モンスター、キング・コングの最初の映画化作品。コングや髑髏島の恐竜達のストップ・モーションを手掛けるのは、勿論『ロスト・ワールド』(1925)の特撮の神様、ウィリス・H・オブライエンである。
冒険映画を手掛ける監督カールは、次回作の撮影を地図にない秘境「髑髏島」で行おうと考えていた。街で知り合った美女アンをヒロインに迎え髑髏島へと旅立った一行であったが、髑髏島の原住民達は「コング」へ捧げる生贄としてアンを連れ去ってしまう。アンを取り戻すべく原住民達の村へ向かった一行は、そこでジャングルの奥より現れた巨大なコングを目にするのであった。
私のようにコングを目当てに観るタイプの人間にとっては、いくらフェイ・レイが美しくとも、ラヴ・ロマンスを交えた前半部分の物語がとにかくもどかしく感じることは否めない。早くコングを!と欲求不満を募らせ映画中盤まで我慢が必要であるが、待たされた分、コングが登場してからのオブライエンの特撮の冴えわたりには目を見張るものがある。
アンを連れ去るべくジャングルの奥地よりぬっと出でるコングにはじまり、次々と現れるティラノサウルス、大トカゲ、大蛇、プテラノドンらとの格闘、息をつかせぬどころではないストップ・モーションの大盤振る舞い。表情豊かに生き生きとダイナミックに暴れまわるその様は、これがコマ撮りで行われているとは俄かには信じがたい。
我が日本のゴジラが上陸後に列車を掴む「お約束」があるのも、本作あってのこと。世界中の怪獣映画に多大なる影響を与えたストップ・モーション映画の金字塔である。え?ただの大きな猿でしょ?などと思わずに、是非御一見を。
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