The Nun (2018)
Director:コリン・ハーディ
Cast:タイッサ・ファーミガ / デミアン・ビチル / ジョナ・ブロケ / ボニー・アーロンズ
Production Company:ニュー・ライン・シネマ
死霊館シリーズ第5作目にして、3作目『死霊館 エンフィールド事件』(2016)に登場した修道女の姿をした悪魔、ヴァラクに焦点を当てたスピンオフ作品。主役の修道女アイリーンを演ずるタイッサ・ファーミガは、死霊館シリーズでロレイン・ウォーレンを演じているヴェラ・ファーミガの妹である。
ルーマニアの聖カルタ修道院で修道女が自殺する事件が発生する。事を重く見たバチカンは、バーク神父と修道女見習いのアイリーンを修道院の調査へ向かわせる。修道院はその昔に公爵が悪魔を呼び出そうと地獄の扉を開いたとされる場所であり、地元の人間達からは不浄の地として恐れられていた。修道院に着いた神父達は、すぐさまその異様な空気を感じ取り調査を開始する。
本作『死霊館のシスター』(2018)は1952年を設定とする物語ではあるが、ルーマニアのフニャド城を修道院の舞台としていることもあり、ハマー・フィルムを彷彿とさせる正統派なゴシック・ホラーとして仕上がっている。そのためこれまでの死霊館シリーズとは趣をやや異にしており、シリーズのファンには評判は良くないようであるが、逆に私のような古典怪奇映画好きには堪らない作品である。
悪魔祓いの経験のあるバーク神父がほぼ役に立たない点や、三人で地下へ入っていったにも関わらず、即散開して個別に襲撃を受ける点など、盛り上げるための演出とは言え首を捻らざるをえない展開も見られはするものの、ゴシック・ムード溢れる様式美な世界観と雰囲気は十分に堪能できる。タイッサ・ファーミガ演ずるアイリーンの凛とした美しさは印象的で、対するボニー・アーロンズ演ずるヴァラクの異様な存在感も魅力的である。死霊館シリーズの中で、私が最も好きな作品。
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