デス・カルト
ポジティヴ・パンク御三家として頭角を現したSouthern Death Cultであったが、レコーディング時に高まった緊張を解消することができず、1983年の2月のライブを最後に初の音源リリースを待つことなく解散してしまう。その後、ヴォーカリストのイアンはTheatre of Hateのギタリストであったビリー・ダフィーとDeath Cultを1983年4月に結成、同年7月より活動を開始する。
Death Cultの活動期間は短く、1984年の1月には彼らはThe Cultへとその名を変更。そのため、実質の活動期間は半年でしかなく、Death CultはThe Cultの前身バンドとしてまとめて言及されることも多い。しかし、彼らはその間にEPとシングルを正式にリリースしているため、我がサイトとしては独立したバンドとして取り上げることとする。
荒削りな中にエネルギーを感じさせたSouthern Death Cultと比べ、Death Cultは飛躍的に楽曲の完成度が高くなっており、ゴシック要素が薄れハード・ロック色が強くなっていくその後の展開を予感させる。実際、The Cultのデビュー・アルバム『Dreamtime』に収録されている「Horse Nation」はDeath Cult名義のEPにも収録されているが、完成前夜感は多少あるもののさほど遜色はない。
Death Cultの音源は1983年にリリースされた4曲入りのEPとシングルしか存在しないが、ベガーズ・バンケットのコンピレーション『Ghost Dance』はそれらに加えてBBCで録音された音源をも網羅しているため、現在ならばそちらを購入することをお勧めする。なお、某夢の国のネズミを想起させるジャケットのイラストは、ベースのジェイミーによるものである。
Discography (Album)
Released 1988
01.Gods Zoo / 02.Brothers Grimm / 03.Ghost Dance / 04.Horse Nation / 05.Christians / 06.Gods Zoo (These Times)
Released 1996
01.Gods Zoo / 02.Brothers Grimm / 03.Ghost Dance / 04.Horse Nation / 05.Christians / 06.A Flower In The Desert / 07.Too Young / 08.Butterflies / 09.With Love / 10.Gods Zoo (These Times)