ジェームス・レイズ・ギャングウォー

アンドリュー・エルドリッチの片腕としてThe Sisterhoodに参加し、その後James Ray and the Performanceで活動していたジェームス・レイの次なるバンド。明らかにエルドリッチの影を漂わせていたJames Ray and the Performanceから一転、そのサウンドはよりハウスやトランスを全面に押し出した強力なダンス・ビートへと進化した。
特にセカンド・アルバムである『Third Generation』以降のテクノ・サウンドへの傾倒は顕著であり、ある意味で彼らの方向性は、現在のゴシック的エレクトロの先駆けとも言うことができるだろう。
高速なアップ・テンポでリズムを刻む打ち込みをバックに、縦横無尽に駆け巡るエレクトリカルなメロディー・ラインとサンプリング。そして、地の底から響くようなジェームス・レイのヴォーカル。James Ray and the Performance時代に比較して、James Rays Gangwarは取り上げられることの少ないバンドであるが、彼らの存在こそが80年代ゴシックから現代に連なるゴシック、エレクトロのミッシング・リンクであると私は思う。
現在、James Rays Gangwarの音源で簡単に入手することができるのは、James Ray and the Performance時代のアルバムとJames Rays Gangwarのファースト・アルバムを組み合わせたコンピレーションのみとなっている。しかし、マーシフル・リリースを離れた後のセカンドとサードで見せたダンス・ビートこそがJames Rays Gangwarの真髄なのであり、決してファースト・アルバムだけで彼らの音楽性を判断してはならない。これらはマイナー・レーベルからの発売であったこともあり非常に入手が困難とは思うが、是非機会があったら聞いてみて欲しいと思う。The Sisters of Mercyの影を払拭し、独自のサウンドを形成したジェームス・レイの姿がそこにある。
Discography (Album)




Released 2015
[Disc1]
01.Another Million Dollars / 02.Hell, Blonde, Chiara / 03.Without Conscience / 04.Destination Assassination / 05.Rev Rev Lowrider / 06.Heart Surgery / 07.35 Thousand Times / 08.Badlands / 09.Hardwar / 10.Cadillac Coming / 11.Bad Gin / 12.Santa Susana / 13.Coo Ca Choo
[Disc2]
01.Cold Blood And Murder / 02.Another Million Dollars (Version 1) / 03.Hell, Blonde, Chiara / 04.Without Conscience / 05.Destination Assassination / 06.Rev Rev Lowrider / 07.Heart Surgery / 08.35 Thousand Times / 09.Badlands / 10.Hardwar / 11.Cadillac Coming / 12.Santa Susana / 13.Bad Gin / 14.Another Million Dollars (Version 2) / 15.Instrumental / 16.Coo Ca Choo



Released 2022
01.Another Million Dollars / 02.Hell, Blonde, Chiara / 03.Without Conscience / 04.Destination Assassination / 05.Rev Rev Lowrider / 06.Heart Surgery / 07.35 Thousand Times / 08.Badlands / 09.Hardwar / 10.Cadillac Coming / 11.Bad Gin / 12.Santa Susana / 13.Coo Ca Choo
