Annabelle: Creation (2017)
Director:デヴィッド・F・サンドバーグ
Cast:ステファニー・シグマン / タリタ・ベイトマン / ルル・ウィルソン / ミランダ・オットー
Production Company:ニュー・ライン・シネマ
死霊館シリーズ第4作目にして、2作目『アナベル 死霊館の人形』(2014)の前日譚にあたる作品。時系列としては本作がシリーズで二番目に古い物語となる。それまで明らかに邪悪な外見をしていたアナベル人形は本作で造形が見直され、頬がふっくらとし前歯が隠れたことでやや可愛らしい外見へと変更されている。
12年前に交通事故で最愛の娘ビーを失った人形職人のマリンズ夫妻は、シスターと6人の孤児の少女達を自宅に受け入れ、共に暮らし始めることとする。広い屋敷に大はしゃぎする少女達であったが、施錠されたビーの部屋だけは入ってはならないと注意を受ける。しかしある夜、小児麻痺で足に不自由のある少女ジャニスは、施錠されていたはずの子供部屋の中へと足を踏み入れてしまう。部屋のクローゼットには、三つ編みで白いドレスを着た不気味なビスクドールがいた。
アナベル人形の誕生を描く前日譚ということで、それまでの作品と整合性を取って無理なく繋げた本作は、シリーズものの重責に十二分に答えている。その上でデヴィッド・F・サンドバーグ監督の過去の短編作品『ライト・アウト』(2013)や『屋根裏』(2015)で見られた恐怖演出が取り込まれていたり、実際のアナベル人形であるラガディ・アンがちらりと出てきたりと、ニヤリとする要素を散りばめている点は実に心憎い。
閉ざされた館の中美少女達が怯え逃げ惑うという展開も王道であるし、ジェームズ・ワンには敵わないものの死霊館シリーズ特有の丁寧な演出の積み重ねも世界観をしっかりと踏襲している。前半部分の展開がややもたつきを感じさせはするが、非常に優等生的なホラー映画と言うことができるだろう。
amazonでこの映画を検索