The Island of Dr.Moreau (1977)
Director:ドン・テイラー
Cast:バート・ランカスター / マイケル・ヨーク / バーバラ・カレラ / ナイジェル・ダヴェンポート
Production Company:AIP
『獣人島』(1933)に続く、H・G・ウェルズの同名小説の2度目の映画化作品。何と低予算映画で知られるAIPによる制作で、AIP設立以来の最高費用を投入して制作された大作である。
33年版で薄気味悪い存在感たっぷりにチャールズ・ロートンが演じたモロー博士を演ずるのは、バート・ランカスター。60年代、70年代の怪奇映画におけるマッド・サイエンティストと言えば、ピーター・カッシング。といったイメージが強いが、南海の孤島を舞台としていることもあって、カッシングよりも野性味を強く感じさせるランカスターのモロー博士は迫力十分。冷酷かつ支配的なモロー博士の狂気を好演している。
一方の獣人達の特殊メイクは『猿の惑星』(1968)で世間を驚かせたジョン・チェンバースによるもので、33年版とは比較にならない程リアリティのあるものとなっている。そして、その特殊メイク以上に頑張っているのが獣人のメイクを施されたスタントマン達である。トラやライオン、ヒョウといった実際の猛獣と獣人達が文字通り体を張って格闘するシーンには、流石にビックリさせられる。
なお、本作のラストは2パターン撮影されており、ハッピー・エンドの米国劇場公開版とバッド・エンドの日本劇場公開版がある。現在国内で発売されているDVDは米国劇場公開版であるが、私としては初見時の衝撃的な結末の印象が強く残っており、バッド・エンドの方が断然怪奇映画的で良かったと思う。特典映像等でバッド・エンドも復活することを強く希望したい。
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