Young Frankenstein (1974)
Director:メル・ブルックス
Cast:ジーン・ワイルダー / ピーター・ボイル / マデリーン・カーン / テリー・ガー
Production Company:グルスコフ
メル・ブルックスの作るコメディ映画はどうも日本人と感性が違うのか、イマイチ面白くないものが多い。そんな中で文句なく面白く、彼の最高傑作と言えるのが本作『ヤング・フランケンシュタイン』(1974)である。ボリス・カーロフが怪物を演じたユニヴァーサルのフランケンシュタイン三作品を下敷きに、ギャグとパロディで突っ走る本作は数多のコメディ映画の中でも屈指の出来栄えを誇っている。
狂気の天才科学者フランケンシュタインの孫であるフレデリックは、自らフロンコンスティンと名乗り祖父の所業を否定して生きていた。しかしある日、フレデリックのもとに祖父の遺言が届けられ、彼はトランシルヴァニアにある祖父の城へと向かうことになる。その晩、彼は怪しいバイオリンの音色に誘われ、地下室で祖父の研究日誌を発見する。祖父の日誌を読む進める内に自らがフランケンシュタインであることを受け入れた彼は、自らも生命創造の研究に取り組むことにするのであった!
ジーン・ワイルダーのすました演技、マーティ・フェルドマンのテンションの高い笑い、テリー・ガーのお茶目なお色気、出演者達各々の力量と持ち味が遺憾なく発揮され、それらが絶妙なバランスで調和を保って作品を構成している。これほどまでにバランスが良く完成度の高いコメディ映画にはそうそうお目にかかることはない。メル・ブルックスにとっても、そして共同で脚本を執筆したジーン・ワイルダーにとっても、まさに本作は神がかり的によく出来た代表作となっているのは間違いない。メル・ブルックスお得意の言葉遊びも随所に見られはするものの、さして難解な英語ではないため我々日本人でも比較的容易に理解することができるのではないかと思う。
倉庫に保管されていたという当時のユニヴァーサルの撮影セットを使い、重厚なモノクロの映像の中で繰り広げられるパロディはまさに抱腹絶倒!ユニヴァーサルのフランケンシュタイン三作品を未見の方でも十分に楽しめる作品ではあるが、やはりパロディ映画である以上、オリジナルを押さえた上で観るのが正解というものであろう。是非とも原点であるユニヴァーサルの古典と合わせて見て頂きたい傑作。
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