デッド・エンド

日本における80年代後半のHM/HRシーンで飛びぬけた人気と実力を兼ね備えていたのがこのDead Endである。当時盛り上がりを見せていたインディーズのHM/HRシーンにおいて86年にリリースされたファースト・アルバム『Dead Line』はインディーズ史上の最高売上枚数を更新し、翌年にメジャーより発売されたメジャー第1弾『Ghost Of Romance』はオリコン14位というこのジャンルの音楽としては驚異的な記録を叩き出した。
Dead Endはジャンル的にはやはりHM/HRに分類されるのではあろうが、ヴォーカルのMorrieの観念的な詩、マニアックでありながらキャッチーなYOUのギター等、その圧倒的に他を寄せ付けぬ強い個性はジャンルの壁を突き抜けた存在感を放ち、ゴス好きの私をも引き寄せた。特にメジャーからリリースされた『Ghost Of Romance』と『Shambara』の独自の美意識に基づいた完成された世界観は私にとってひどく衝撃的なものであった。負のカリスマとしてのMorrieのカッコ良さに当時中学生だった私は憧れた。
しかしDead Endはその後Morrieの人間宣言を経て、陰鬱な世界観を突き抜けた『Zero』を発表する。アルバムとしての完成度は高まってはいるものの、よりポップな色彩を帯びた楽曲、独自の忌まわしさを失った世界観に私は失望した。人によってはこの『Zero』が最高傑作であると評価することが多いが、ゴス方面の人間である私としては、やはり多少鼻につこうが「作り上げられた虚構の陰鬱な世界」に浸ることのできた前作までの方が好みであった。
Dead Endは現在のビジュアル系バンドの音楽的な基盤を作り上げたという意味でもその存在が見直されるべきバンドの一つである。当時はHM/HRというジャンルに括られてはいたが、その音楽性は現在のメジャー音楽シーンに非常に似通った、ゆえにそれだけの影響力を持ったものだったと言うことができよう。Dead Endのアルバムが今聞いてもなお時代を感じさせない魅力を持っていることが何よりもその証拠である。
最後に蛇足ではあるが、Luna Seaがインディーズ・シーンに登場した時、私はてっきりMorrieの新しいバンドかと思った・・・。
Discography (Album)







Released 1997
01.Spider In The Brain / 02.Perfume Of Violence / 03.Replica / 04.Worst Song / 05.Danse Macabre / 06.The Red Moon Calls Insanity / 07.Song Of A Lunatic / 08.Embryo Burning / 09.Blood Music / 10.I Can Hear The Rain / 11.Blue Vices / 12.I Want Your Love / 13.So Sweet So Lonely / 14.Serafine / 15.Good Morning Satellite


Released 2005
[Disc1:CD]
01.Spider In The Brain / 02.Perfume Of Violence / 03.Danse Macabre / 04.Phantom Nation / 05.Dead Man's Rock / 06.Song Of A Lunatic / 07.Embryo Burning / 08.Psychomania / 09.I Can Hear The Rain / 10.Heaven / 11.Blue Vices / 12.I Want Your Love / 13.Baby Blue / 14.I'm In A Coma / 15.Serafine / 16.Wire Dancer (Live Version)
[Disc2:DVD]
01.Danse Macabre / 02.Skeleton Circus / 03.Deco



Released 2012
[Disc1:CD]
01.水晶獣 / 02.Conception / 03.SSS / 04.Calamity / 05.Seiren / 06.Angel / 07.虚無を超えて / 08.夢鬼歌 / 09.Final Feast / 10.No Man's Dream / 11.Deep -流星白書-
[Disc2:DVD]
01.Conception / 02.Final Feast / 03.夢鬼歌 / 04.Conception / 05.Final Feast / 06.夢鬼歌 / 07.Devil Sleep / 08.Sacrifice Of The Vision
