The Revenge of Frankenstein (1958)
Director:テレンス・フィッシャー
Cast:ピーター・カッシング / フランシス・マシューズ / マイケル・グウィン / リチャード・ワーズワース
Production Company:ハマー
前作『フランケンシュタインの逆襲』(1957)の死刑執行のラストから始まる、正当なる続編にしてハマー・フランケンシュタイン・シリーズの第2弾。しかし本作以降、フランケンシュタイン・シリーズは物語の連続性を失い、独立した物語として制作されていくことになる。
死刑を宣告され死刑台へと連れて行かれたフランケンシュタイン男爵は、死刑執行の直前にすり替わり死刑を逃れ逃亡することに成功する。やがて、カールスブルクの街でシュタイン医師と名を変え、男爵は開業医として人々の尊敬の念を集めることに成功する。しかし、その裏で男爵は生命創造の研究を続けていた。そして男爵は助手のハンスと共に、身の不自由なカールの脳を、死体から作り上げた肉体に移植するのであったが・・・。
前作ではやや冷酷非情な性格をしていた男爵も流石に死刑を宣告されて懲りたのか、若干性格が穏やかなものになっている。とは言え、そこは怪奇映画のハマー。やっぱり男爵は生命創造の神秘に取り憑かれていおり、懲りずに日夜研究に勤しむ姿が頼もしい。ユニヴァーサルのフランケンシュタイン・シリーズが怪物を中心にシリーズを展開したのに対して、ハマーのそれはカッシング演ずる男爵その人の狂気に焦点を当てシリーズ化するという方向性を決定付けたのが本作と言えよう。
怪奇映画としては、本作の研究テーマは脳移植であるがために怪物らしき怪物が登場しないのが残念である。しかし、今回の実験での課題は脳の移植に伴って、実験体が凶暴化するということ。それを踏まえた上でラストの展開を考えると、ちょっとぞっとするものがあるが、本作以降のシリーズでも元気に生命創造の研究を行っている男爵を見るにつけ、それは杞憂に終わったようである。ううむ、ハンスの手術の腕前、侮りがたし。
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